インターネット 【Internet】
インターネットとは、共通の通信仕様を用いて全世界の膨大な数のコンピュータや通信機器を相互に繋いだ、巨大なコンピュータネットワーク。
「TCP/IP」と総称される標準化された通信規格群を用いて、様々な組織の運用するネットワークや機器を互いに接続した地球規模の通信ネットワークシステムで、個人や企業、公的機関など様々な主体が利用する、国の枠を超える人類共通の重要な情報インフラとして広く普及している。
インターネット上では様々な機能、サービス、システムが構築、提供されており、膨大な文書を互いに連結したWeb(ウェブ、WWW:World Wide Web)や、手紙のように利用者間でメッセージを送受信できる電子メール(e-mail:electronic mail)などはその一例である。今日ではインターネットにおける情報やサービスの多くはWebを通じて提供されるため、日常的にはWebのことを指してインターネットあるいはネットと呼ぶことも多いが、厳密にはWebはインターネット上の機能・サービスの一つに過ぎない。
インターネット全体を管理・運営する単一の主体というものはなく、様々な組織の運営するネットワークが相互に接続された分散型のネットワークとなっている。ただし、IPアドレスやドメイン名、ポート番号、通信プロトコルの仕様など、インターネット全体で共有される識別情報や技術規格などについては、管理・統括する国際的な団体(ICANN、IETF、W3Cなど)が存在する。
インターネットに接続するにはすでにインターネットに参加しているネットワークへ接続する必要があり、企業や大学、通信事業者などが運営するネットワークへ通信回線を通じて接続する。個人や家庭などでインターネットを利用するには、接続を仲介する専門の事業者「インターネットサービスプロバイダ」(ISP:Internet Service Provider)と契約し、通信会社の回線を経由して接続することが多い。
インターネットの起源は1960年代の終わりにアメリカの大学や研究所などを通信回線で相互に結んだネットワークで、学術機関を結ぶ情報ネットワークとして発展した。1980年代の終わりに商用利用が解禁され、1990年代半ばにWebが開発されると企業や家庭に急激に普及し始め、様々な用途に応用されるようになった。当初は電話回線を用いてデータを音声信号に変換して送受信する方式が主流だったが、現在では光ファイバー回線による常時接続や、携帯電話回線によるデータ通信が広く用いられている。