DVD
DVDとは、コンピュータをはじめとする情報機器でデータ記録メディアとして利用される光学ディスクの一種。CDなどと同じ細かい溝の彫られた樹脂製の円盤で、ドライブ装置内で高速回転させて溝に沿ってレーザー光を照射し、データの読み取りや書き込みを行う。規格の策定は業界団体のDVDフォーラムが行なっている。
サイズは直径8cmあるいは12cmで、中心に回転軸を挿入する穴が空いている。両面記録、2層記録に対応しており、12cmディスクの記憶容量は片面1層で4.7GB、片面2層で8.54GB、両面1層で9.4GB、両面2層で17.04GBとなっている。
規格 書込 書込対応ドライブ DVD-ROM 不可 - DVD-R 一回 H/S/M/D/-R/-RW DVD-R DL 一回 H/-R DL DVD-RW 書換可 H/S/M/D/-RW DVD-RAM 書換可 H/S/M/RAM DVD+R 一回 H/S/D/+RW/+R DVD+R DL 一回 H/+R DL DVD+RW 書換可 H/S/D/+RW
H : DVDハイパーマルチドライブ直径 面数 1層 2層(DL) 12cm
ディスク片面 4.7GB 8.54GB 両面 9.4GB 17.08GB 8cm
ディスク片面 1.4GB 2.6GB 両面 2.8GB 5.2GB
S : DVDスーパーマルチドライブ
M : DVDマルチドライブ
D : DVDデュアルドライブ
DL : 2層記録(Dual/Double Layer)
映像ソフトの販売などに用いられる読み出し専用のDVD-ROMの他に、一度だけ書き込める(消去・上書きできない)DVD-R、書き換え可能なDVD-RW、DVD-RAMがある。記録型メディアを巡って業界内で規格の分裂があり、業界団体DVD+RW Allianceが独自に規格を定めたDVD+R、DVD+RWもある。
映像や音声を記録するための標準のディスクフォーマットやファイル形式のセットなども定められており、映像とそれに付随する音声・字幕を記録するためのDVD-Videoが映像ソフトの流通などによく利用される。
DVDフォーラム (DVD Forum)
DVDに関連する技術規格の策定や普及に向けた広報活動を行う業界団体。ハードウェア、ソフトウェア、メディア・放送の各方面から、日本国内で80社以上、全世界で200社以上が加盟している。
1997年にソニー、日立、東芝、松下電器(現パナソニック)、三菱電機、パイオニア、ビクター、蘭フィリップス(Philips)、仏トムソン・マルチメディア(Thomson Multimedia、現Technicolor)、米タイム・ワーナー(Time Warner)が設立した。
メンバー企業による技術部会(ワーキンググループ)が設置され、DVDの基本仕様およびDVD-ROM、DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、DVD-Video、DVD-Audioなどの仕様の標準化やコピー防止技術の研究開発などを行ってきた。
DVD規格やDVDロゴの使用許諾(ライセンス)など権利関係の業務は、創設メンバー各社の共同出資で2000年に設立されたDVDフォーマットロゴライセンシング株式会社(DVD FLLC社)が窓口となっている。
DVDの次の世代の光ディスク規格(いわゆる次世代DVD)では東芝などの推す「HD DVD」規格を推進していたが、ソニーなどの推すBlu-ray Discが事実上の標準となったため撤退した。